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大阪大学人間科学部/大阪大学大学院人間科学研究科

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リスクテイキング・違反の発生メカニズム研究

 
 人は危ないと知りながら、また規則に違反していると知りながら敢えて危険をおかし、その結果事故やエラーに至ることがあります。このようなリスクをおかす行動(リスクテイキング)や規則違反のメカニズムをリスク、コスト、ベネフィットなどの要因操作から実験・調査等を通して明らかにしています。

これまでの共同研究実績

PICK UP!
のある研究は以下で概要を紹介しています

PICK UP!踏切の視認性に関する多角的研究」(H26年度JR西日本安全研究所との共同研究)

PICK UP!
違反行動の発生メカニズム解明と、違反防止教育プログラムの確立」(H21-H23年度科学研究費補助金)

「リスクと違反行動に関する行動学的研究」(H17年度ヒューマンサイエンスプロジェクト研究)

 日本にある踏切には、警報機はあっても横断を防ぐための遮断桿がないものもあります(第三種踏切といいます)。そのため、列車が接近して警報機が鳴ったとしても、横断を防ぐための防護柵がないため、ユーザの無理な横断が可能になっているのが現状です。その結果として、命を落としてしまう事故も発生しています。本研究プロジェクトでは、「遮断桿が無くても、警報機が鳴ったら横断してはいけない」ことを効果的に注意喚起するためには、どのような標識のデザインが有効であるかについて、ドライビングシミュレータを用いた実験を実施して検証しました。



関連する研究業績

・五十嵐彩那・臼井伸之介 2015 速度違反抑制に効果的なメッセージと提示タイミング, 交通科学,46 (1), 13-24.
・Ueda, M., Wada, K., & Usui, S. 2015 Design and assessment of effective signs for railroad-crossings. Proceedings of Work On Safety, 467-473.
・上田真由子・森本陽平・和田一成・臼井伸之介 2015 リスクテイキング行動のプロセスを考慮した踏切注意喚起標識の評価,日本応用心理学会第82回大会発表論文集,72.


 警察庁の統計によれば、毎年およそ1千万件の道路交通違反による検挙が報告されています。警察に検挙されないケースを考えれば、さらに多くの違反が日常的に行われていることになります。規則違反は事故につながりやすい一方で、非意図的なヒューマンエラーとは異なり、安全教育によって態度変容を図ることで防止効果が期待されています。本研究プロジェクトでは、違反の生起要因として重要な要因の特定、また規則違反の個人差を検討するために、実験法や質問紙法、観察法等により多角的に検証しました。



関連する研究業績

Moriizumi, S., Usui, S & Nakai, H. 2016 Relationship between traffic violations and risk-taking in daily life . 応用心理学研究(英文特集号), 42(Special Edition), 46-52.
Moriizumi,S. and Usui,S. 2016 The relationship between risk propensity and violation: An experimental study Osaka Human Sciences, Vol.2, 137-150.
・森泉慎吾,臼井伸之介 2013 リスク傾向と違反行動との関連についての実験的検討 交通科学, 43(2),38-45.
・Shingo MORIIZUMI, Shinnosuke USUI, Hiroshi NAKAI 2012 The Relationship Between the Tendency of Young Commercial Drivers to Take Risks in Daily Life and Accident Involvement, In L. Dorn (Ed.), DRIVER BEHAVIOUR AND TRAINING Volume X, Ashgate Publishing, 187-195.
・中井 宏・臼井伸之介 2012 安全態度と環境要因がシミュレータでの速度と車間距離に及ぼす影響,応用心理学研究,38(2), 1-9.
・和田一成・臼井伸之介・篠原一光・神田幸治・中村隆宏・村上幸史・太刀掛俊之・山田尚子 2012 違反行動の生起における課題遂行コストとリスク認知の影響,労働科学,88(1), 1-12.
・ 中井 宏・臼井伸之介 2011 交差点内の台形ハンプが通過ドライバーに及ぼす影響 −速度抑制効果の持続性とその波及性−, 人間工学, 42(5), 222-228.
・森泉慎吾・臼井伸之介 2011 リスクテイキング行動尺度の信頼性・妥当性の再検証 労働科学, 87(6),211 - 225.
・安達悠子・臼井伸之介・松本友一郎 2010 看護業務における違反の心理的生起要因に関する研究, 応用心理学研究, 35(2), 71-80.

安全行動学研究分野

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